茂木健一郎 日本のガラパゴス化に関する講演を聴いて

茂木健一郎 クオリア日記: 講演 ガラパゴス化する日本
相変わらず茂木さんの話はアジテートする力が強くて刺激を受けます。
部分最適全体最適について言及する箇所があります。日本の政府や社会は部分最適を図り過ぎるあまり、全体最適を失うという。教育を通して各個人の思考回路にも根付いている、きっとこれは今の日本の気質のように思います。
これが示すものは、今の日本のアプローチは保守的の極みであるという事でしょう。今まで築いてきたものを失いたくない、それを保守しながら、さらなる最適化をしようとしている。
今の日本は、今まで築いてきたものを壊してまで偶有性の海に、自ら飛び込むでしょうか。それは無いように思います。国民の大半がそれを望んでいないとすら感じます。皆自らの、そして家族の生活をこれまでの(世界的にみれば非常に高い)水準で維持するにはどちらが良いかと天秤にかけています。偶有性に飛び込むか、それとも全体最適がより失われるまで部分最適を続けるか・・・。大半の天秤は後者にまだ傾き続けています。
前者になるには、まだ時間が必要なようです。しかしそのようにはならない、という事もありそうです。私の日本のイメージ・特徴として、格差を嫌う、よその(アイデアの)真似事が得意、というのがあります。これは偶有性と相容れない関係であると感じています。日本はもともと、偶有性を楽しめない気質が強いとも言えます。
この国はおそらく、他のどの国よりも、不幸な人の割合を、極限まで減らそうという方向性に進んでいるように思います。この志がいつ自身を滅ぼすのか、その顛末は未だわかりません。