HONDA F1撤退

 本日(12月5日)HONDA本社でF1からの撤退が発表されました。世界的な不況を受けて経営資源の再配分が必要になったとの本田技研工業、福井威夫社長からの説明です。チームは来季初頭までに買い手がつけば売却され、つかなれば最悪解散となってしまう模様です。
 2000年からF1の世界に戻ってきたHONDAですが、第3期プロジェクトはあまり華々しいものではありませんでした。優勝したのは9年間でわずか1回。

「こうすれば勝てるのでは、という手を打っていたので大変残念。チャンピオン争いをできなかった理由は、よく分からない」(Yahoo! Formula1 ニュース 2008/12/5 20:56更新 「ホンダ社長、将来は「完全に白紙」=F1撤退」より引用)

 福井社長のこのコメントからも、巨額の費用を投じながらそれが的外れなものであったと言わざるを得ません。この発表がなされて、最も不安を感じているのは働いているスタッフ、ドライバーでしょう。来期レギュラーシートが確実視されていたジェンソン・バトンなどは特に。
 しかし明るい知らせとして、発表後半日で有力な買い手が3者も現れたということです。来季は今季に比べ、レギュレーションも大幅に変更され、HONDAは今季の早い段階からロス・ブラウンの指揮のもと来季に向けた開発に着手していましたから、競争力を発揮できるのではないかという期待が多くあります。その点から見ても買い手にとっては大いに魅力的なチームでしょう。
 世界的な経済危機、環境問題、莫大な開発費用と歴史あるモータースポーツ、F1にとって障害が多くある昨今。このままではF1が時代に取り残されてしまう様な気がしてなりません。そんな中で私は“技術競争”こそがモータースポーツのトップカテゴリーであるF1の真髄であると考えています。どのような技術が生み出されれば、環境保護に役立ち、市販車に活用でき、社会に貢献できるか。そこにF1の根本があると確信しています。こういった理念を指し示して行けるのは、F1の経営側・運営側に他なりません。レースのカタチというのも時代と共に変化していってしかるべきだと強く感じています。

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