没後50年「モーリス・ド・ヴラマンク展」

チケット半券。

 「モーリス・ド・ヴラマンク展」を観てきました。絵画鑑賞は久しぶりでしたが、非常にのめり込みました。気合が入り過ぎて相当の疲労感、、、何だか展示してある作品一つひとつと対決しているような気分でした。風景画・静物画が中心でした。絵を見るとき、これは彼が何歳のときに描いたものかとか、この風景・静物のどこに惹かれて描こうと思ったのかとか、他の誰の影響を受けた絵の描き方だとか、考えながら観ました。そうしてみることで彼の人生を観ているかのようでゾクゾクしました。
 それで気付いたこと。人がひとつの道を進んでいくとき、「模倣する時期」と「模索する時期」があるのではないかと。道を歩き出すとき、スタートはおそらく模倣から始まる。繰り返し繰り返し模倣することで、技術が培われていく。それが土台となり、徐々に独自の表現方法を模索し築いていく。模索が行き詰ったときは、また新たな模倣を取り入れる。この模倣と模索を繰り返していくことで、自分の表現したい理想に近づいていくのではないだろうか。どちらか一方ばかりだと、行き止まりにすぐぶつかる。
 ヴラマンクが絵を描き始めたのは10代後半でした。そしてゴッホセザンヌに刺激を受け、彼らの手法(描き方)を取り入れ絵を描き続けます。その末の、晩年(70〜80歳)の作品は境地に達したように私は感じました。50年、60年続けてようやくたどり着く場所。。。芸術はやはり魅力的です。


SOMPO JAPAN MUSEUM OF ART 没後50年「モーリス・ド・ヴラマンク展」