SUPER AGURI F1チーム撤退

うさコンビ。

 5月6日、SUPER AGURIが二年半のF1活動の末、撤退を発表しました。撤退の原因として、資金面でのスポンサーの契約不履行などが原因とされていますが、私はチームの運命はもっと早い段階で決まっていたのではないかと思っています。それは、他チームからのシャーシ(車体)提供を許可するというコンコルド協定が変更されたその時です。この協定は事実上2009年から適応される模様です。HONDAは資金面・技術面共にSUPER AGURIをバックアップしていました。その利点として、自社のカスタマーカー(自チームとほぼ同型の、あるいは型落ちのクルマ)を提供し、走行時のデータを受け取ることで自社の開発に活かす事が出来るという狙いがあったはずです。ところが協定の変更によって、2009年以降それが完全に認められなくなりました。現在レッドブルスクーデリア・トロ・ロッソ(STR)の2チームを抱えているオーナー、ディートリッヒ・マテシッツ氏も、この協定の変更を受けて2009年をめどにSTRチームを売却する意向であると述べています。
 以前から言われていることですが、現在のF1界は他のカテゴリーと比較しても、チーム参戦に際して費用がかかり過ぎるようです。その最大の問題がクルマの開発・製造にかかる費用で、それは大企業や億万長者といわれる人達にしか支払うことの出来ない規模のものです。この問題を解消するためのカスタマーカー制度だったのですが、他チームからの反対があったことで白紙になってしまう様相です。最先端の技術を競い合うモータースポーツのトップカテゴリーであるF1の地位は維持されるかもしれませんが、経済的・政治的な問題ばかりで、肝心なスポーツの醍醐味、人間くさいぶつかり合いの面白さが失われてしまわなければ良いのですが。。。