トパーズ

トパーズ (角川文庫)

トパーズ (角川文庫)

トパーズを読んでいる。その中にペンライトという短編がある。
これに限らず、村上龍の作品の優れたところは、アンモラルの中にモラルを感じさせる点にあると思う。
終盤の台詞で、

「ねえ、あれ、全部夢だったんでしょう?」

この台詞が無ければ、この直前の地獄絵図が肯定された事になって、私の価値観世界は崩壊しただろう。
この一歩手前は、情景を浮かべるほど、辛くて、体と心が拒否して硬直する。それだけに、
エンディングの客とのプレイ風景がこんなに微笑ましく感じられるとは。
圧巻だった。