テニスへの、執念という名の愛

 ウィンブルドンクルム伊達君子の試合は驚嘆であった。
 18歳でランキング9位、デンマークキャロライン・ウォズニアッキを相手に、13年ぶりの芝とはとても思えないフットワークで翻弄する。積極的に前に出てボレー・ネットプレーを狙う。このスタイルは、パワー・ストローク主体となった近年のプロテニスへの挑戦でもある。芝の経験と技の多彩さで上位ランカーから1セットを先取する。しかしウォズニアッキのパワーストロークが徐々に勢いを増し、1セットオールとなる。第3セットに入ってからはスタミナ・フィジカル面での問題を抱えながらであった。負けはしたものの彼女の最高のプレーを見ることが出来た。信じられない思いで一杯だ!
 解説の福井烈さんがおっしゃっていたが、伊達はこの舞台に再び立つに当り、見ている方が気絶する程、過酷な練習を積んだそうだ。それはテニスに対する執念、体に染み込んだテニスに対する愛に他ならない。彼女はテニスを心から楽しんでいる。挑み続ける姿に目が離せない。
http://www.nhk.or.jp/wimbledon2009/index.html