キング・コーン

キング・コーン [DVD]

キング・コーン [DVD]

題材になっているコーンは、私達が茹でてかぶりつくトウモロコシではない。燃料になったり、家畜の飼料になったり、原形を留めず加工されるコーンである。
現代のコーンは栽培面積に対して生産高が非常に高い。小さい面積の土地でたくさん採れる。だがそれに反比例して栄養価は失われている*1。大量に生産されるコーンは回りまわって私達の口に入る。
安価に食べ物が手に入るようになった代償、それは自らの身に帰って来る。低価格と引き換えたのは栄養価だった。
アメリカだけでなく、先進国にはファーストフードを代表とした安価な食べ物が溢れている。それを社会経済と私達の欲望が助長している。これらの食べ物を継続して摂取することで生活習慣病の危険性が増大する。
しかしこれは一概に悪いことばかりではない。先代の農家が強いられていた重労働が、今は栽培技術や機器の発達で楽になり、制度的にも出荷高を高めればよくなった。そしてこれまでになく食べ物が溢れ、豊かになった。

◆◆◆

結局決め手となるのは、私たち消費者だ。私達が食べ物についてよく知り、自らの口に入る、適切な食べ物を判断し、選択していく事だ。求められないものは自然と淘汰されていく。誰に指図されるでもなく、自らが決めていく重要だ。

*1:狭いところで一杯採れるのだから、考えてみれば当然のことではある。